"石橋凌さん出演映画「世界で一番美しい夜」スペシャルインタビュー!"
石橋凌さん出演映画「世界で一番美しい夜」スペシャルインタビュー!のエントリー
石橋凌さん出演映画「世界で一番美しい夜」スペシャルインタビュー!

その「世界で一番美しい夜」スペシャルページを先日、パーソンアップでアップしました!
そちらでもダイジェスト版にて紹介した石橋凌さんのスペシャルインタビュー、全文を一挙公開します!
石橋凌さん 『世界で一番美しい夜』スペシャルインタビュー
―映画「世界で一番美しい夜」を拝見しました。日本映画の中で光り輝いている「星」のように感じました。ストレートに語るというよりメタファー的な作品という印象を受けました。それと石橋さんが演じていた仁瓶という男は、縄文人の媚薬を探していたりと、とても独特な人物設定で普通はリアリティを感じないと思うんですが、不思議とすごくリアルに迫ってきたんですよ(笑)。
石橋さん自身は今回の役を演じてみて、どのようなことを感じられましたか?
僕は天願監督が脚本として参加された「オーディション」という映画にも出演しましたけど、監督としての作品は今回で二本目なんです。最初の映画「AIKI」でもとても良い仕事をさせてもらいました。天願さん自身を僕はとても尊敬しているんです。
今回の映画の脚本もとても面白いものでした。テロや戦争というものを伝える時、例えば僕らは音楽という手段で問いかけ、聴く人がそこから何かを感じられるように歌を作ってきました。この映画の脚本を読んだ時、天願監督は、まさに「映画」で僕らと同じようなことをやってらっしゃると感じたんです。
監督はこの映画はコメディだとおっしゃってました。ただ、コメディであっても、天願監督がこの映画で伝えたい事を、僕は非常に理解できたんです。監督は「映画としてできること」をやってらっしゃるのだと感じました。
僕が演じた仁瓶という男について、自分なりにアイディアも出させてもらいました。例えば、カストロに憧れる男という設定を提案してみたんです。ダイレクトには出せないので、「それを感じさせるような肖像画や衣服で表現するのはどうでしょうか?」と。
仁瓶という男はもちろん危ない男ですけれど、純粋に平和を望んでいる…、そういう所を表現していきたいとも監督と話していたんです。―天願監督と何度かお仕事をされていますが、どんな印象をお持ちですか?
監督は、非常にしっかりとした方ですよ。侍みたいな人。物事の本質をちゃんと見てらっしゃる方だと思います。ものを創る姿勢が素晴らしいんです。それから、監督として威圧的な部分というのは全く無く、現場が非常に民主的でしたし、無駄がない方です。
メジャー映画としての一作目だった「AIKI」という映画も、これがメジャー一作目とは信じられないと思うほど、素晴らしい出来映えの映画だと思いました。
「AIKI」の時にも感じたことですが、天願監督は常に弱者の方達の側に立っている気がします。それは、純粋に凄いことだと思うんです。「AIKI」は身障者の方をテーマにした映画でしたけれど、監督はきちんと描き、表現していらっしゃいました。
試写会の時には身障者の方もみえていたんですが、映画での身障者の方達の表現がとても具体的で、「ここまで真実を描いてくださっていたら、私達は何も言うことはないです。」という感想を残されていたそうです。
そんな風に天願監督は弱者の立場に立つのですが、それが馴れ合いでもない。きちんとそこに見える現実を見つめていらっしゃるんです。
―映画の中で仁瓶が言った言葉で印象深い言葉がありました。「たたかうこと、そのこと自体とたたかっているんだ」と語るシーンです。
2つの「たたかう」という言葉の、最初の「たたかう」は戦争の「戦」という字、次の「たたかう」は闘志の「闘」という字の意味合いを感じました。そうそう。そうですね。そのシーンには、僕がこれまで経てきたことと、どこかシンクロする部分もあるんです。
今回、濡れ場もありますから、監督に、「若い時はそういうシーンもありましたけど、この歳ではいかがなものでしょう…?」と伝えたんですが、「いや、でもこの役は石橋さんにしか演じられないから…」と言ってくださったんです。それならばと思ったんですけどね(笑)。―石橋さんなりに「この役は石橋さんにしか演じられない」という天願監督の言葉の理由をどのように想像されますか?
天願監督と僕は世代が近いですし、周りにも僕らのファンが結構いらっしゃると聞いたことがあります。おそらくリアルタイムでA.R.Bの音楽を聞いていたと思うんです。ですから、僕らがどういう風に歌を作ってきたかも知っていらっしゃるんでしょう。僕が演じた仁瓶という男は、濃い思想の持ち主なので、そういう彼のイメージと僕のA.R.Bの時のイメージを何かだぶらせて思われたんじゃないんでしょうか。
―この映画は寓話的なお話ですが、伝えたいメッセージが非常に感じられる映画でした。
寓話として描いているんですが、伝えたいこととして、「9.11」との関連は監督の中にあると思います。「9.11」について描いた「セプテンバー11」という映画、ショーン・ペンなど世界の著名な監督達が参加したオムニバス映画があります。今村昌平監督も参加されていましたが、その時、天願監督は脚本を担当されていたんです。
その映画でも、それぞれの監督が「9.11」を、ただシビアに表現するのではなく、いろんなアプローチで表現していました。ですから、天願監督にも「映画だからこそ、いろんな方法で、いろんな角度で「9.11」を捉えていいんじゃないか。」という想いはあったのではないでしょうか。僕の推測ですが、もしかしたら、それが今回の映画の企画にも結びついたのかもしれませんね。
この映画を海外の方が観た時、テロというものをコメディやジョークとして受け入れられない点があるかもしれない。でも、この位大きなアプローチの仕方でメッセージを「伝えていく」ということに、僕はすごく共感できたんです。この映画を観てもらえれば伝えたい事はわかると思います。
冒頭のアニメーションも素晴らしいですよ。いろんな面で、この作品は僕が思う「映画」というものになっていると思います。もちろん、ジェット・リーと共演した「ローグ・アサシン」のようなアクション映画も喜んで参加しますけど、僕が思う「映画」というのはこういう作品なんです。
―「表現者」として、ということでしょうか…?
「表現者」として、自分自身としてやりがいがあります。ミュージシャンと同様、俳優も映画を通して何かメッセージを伝えられれば、それに越したことはないと思うんです。
俳優という仕事は、極論からすると、演技で「人を騙す仕事」とも言えますよね。ミュージシャンは自分が書いた楽曲を自分で表現しますから、少し違って、なるべく正直でいたいと思うし、正直でいるほうが、より緊張感も出る。責任も自分で取ればいい。でも俳優というのは、誰かに化けてお客さんを騙す仕事ですから、例えば、そこにいるのがどんな極悪人であろうと、どんな詐欺師であろうと、「彼がどうしてそんなことをしなければいけなかったのか?」という、その人なりの哲学がそこにあると思うんです。その哲学までも我々が表現しきることが出来たら、観ている人がそこから得る「何か」があるんじゃないでしょうか。そうならば、ただ騙しているのではなく、「やる意味」がある。役者という仕事に意味があると思うんです。
ですから、この映画のようなテーマの仕事に出会えた時、僕自身も非常に嬉しい。A.R.Bで歌ってきたように、役者として「表現できているんだ」と感じるんです。(聞き手・近浦啓)
石橋凌さんのロングインタビュー・本編は近日公開予定です!
ぜひお楽しみに!!
- [ 2008/06/20 ]

